EU AI法とAI生成画像の表示義務|日本企業も対象になる条件と対応手順

著者 Ibrahim Anjro · · 34 分で読めます

AI生成画像に「AI生成」と明示したラベルが表示されているウェブサイトの画面

EU AI法の透明性ルールは2026年8月2日から適用されています。対象になるのはEU域内の企業だけではありません。AI生成画像がEUの利用者に届く日本の飲食店・宿泊施設・越境ECにとって、何が義務で何が義務でないのかを整理しました。

あなたの会社はヨーロッパにありません。それでも、この話は関係あるのでしょうか。

関係することがあります。あなたのウェブサイトをEUの消費者が読んでいるなら。あなたの飲食店や旅館がヨーロッパからの旅行者を受け入れているなら。越境ECやマーケットプレイスでEUに販売しているなら。あるいは制作会社・スタジオ・SaaSとして欧州のクライアントに納品しているなら——答えは自動的に「いいえ」ではなくなり、「条件次第で、はい」に変わります。

理由は規則そのものに書かれています。欧州のAI規則(EU AI法)は、EU域内に設立された企業だけを対象にしているわけではありません。AIシステムの出力(アウトプット)がEU域内で利用される場合、域外の事業者にも及びます。あなたのサイトに掲載されたAI生成の写真を、パリやミュンヘンやミラノの消費者が見ている。それはまさに「AIシステムの出力がEUで利用されている」状態です。

この記事は次の順番で答えます。あなたに適用されるのか。適用されるなら、あなたの責任は具体的に何で、逆に何があなたの責任ではないのか。そして、画像を一枚ずつ手作業で直す一週間を過ごさずに、運用面をどう片付けるか。

はじめにお断りします。本記事はAI画像を日常的に扱う実務者による実務上の指針であり、法的助言ではありません。個別の状況について拘束力のある判断が必要な場合は、有資格の弁護士にご相談ください。

もうひとつ、範囲の限定です。この記事が扱うのは欧州のルールだけです。日本にも独自のAI政策の枠組みがあり、議論と整備は継続していますが、それは本稿の主題ではありません。以下の記述を日本国内の制度の説明として読まないでください。

TL;DR — 要点だけ

  • 2026年8月2日から、EU AI法 第50条の透明性義務が適用されています。

  • EU域外の企業にも及びます。判断基準は所在地ではなく、AIシステムの出力がEU域内で利用されるかどうかです。訪日欧州客を迎える飲食店・ホテル・旅館、EU向け越境EC、欧州クライアントを持つ制作会社は、いずれも検討対象です。

  • 義務は二種類あり、別々の相手に課されています提供者(プロバイダー)=AIツールを作った側は、出力を機械可読な形式でマーキングする。展開者/利用事業者=画像を公開する側は、人が見てわかるラベルを付ける。ただし後者は、その画像が「ディープフェイク」に当たる場合です。

  • すべてのAI画像がディープフェイクなのではありません。実在する、あるいは現実にありそうな人物・物・場所・出来事を写実的に描いた画像は該当する可能性が高い。明らかに空想的・イラスト的なものは該当しません。

  • 透明性義務の違反に対する制裁金は最大1,500万ユーロ または 全世界年間売上高の3%(いずれか高い方)です。

  • 実務は3ステップです。AI画像を棚卸しする → 見てわかるラベルを付ける → やったことを記録する。

  • WordPressなら、KI-Transparenz-EUがラベル付けの工程を一括で処理します。画像を選んで一回クリックするだけで、公開画面に表示が入ります。無料です。

「うちはヨーロッパにない」——それで話が終わらない理由

日本の事業者がEU AI法の話を聞いたとき、最初に出てくる反応がこれです。もっともな反応でもあります。欧州の法令は、普通は欧州の問題に聞こえます。

しかしこの規則は、域外適用を明示的に想定して書かれています。EU市場にAIシステムを投入する提供者に適用されるのはもちろんですが、それに加えて、EU域外に設立された提供者および展開者にも、そのAIシステムが生み出した出力がEU域内で利用される場合には適用されるという構造になっています。

実務の言葉に直すと、こうです。基準はあなたの登記地ではありません。AIの出力がどこに届き、どこで使われるかです。

特に確認すべき日本の3つのプロフィール

1. 訪日欧州客を受け入れる飲食店・ホテル・旅館

インバウンドは、この論点で日本がいちばん露出している領域です。

京都の旅館、銀座や札幌の飲食店、飛騨高山や白川郷の宿、ニセコや箱根のホテル。英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語版のサイトやデジタルメニューを持っているなら。海外のOTA(オンライン旅行会社)や予約プラットフォームに掲載されているなら。あるいは単純に、Googleで「best sushi Tokyo」と検索した人があなたのページに辿り着いているなら——サイト上のAI生成写真は、EU域内の消費者に見られ、利用されています。

そしてここが決定的なのですが、より重要なのは来日後ではなく来日前です。予約と支出の意思決定は、そのお客様がまだヨーロッパの自宅にいるあいだに行われます。ハンブルクのリビングで、日本語も併記されたあなたの英語版サイトを開き、AI生成の客室写真や料理写真を見て、泊まるかどうかを決めている。その瞬間、AIの出力はまぎれもなくEU域内で利用されています。

対象になりやすい画像も具体的です。AIで作った客室・大浴場・庭・ロビーの写真。実在しない盛り付けの会席料理の画像。「当館から見える景色」として生成された風景。いずれも、閲覧者が「カメラで撮った写真だ」と受け取る種類の画像です。

2. EU向けの越境EC・マーケットプレイス出店・輸出企業

Shopify・BASE・楽天・自社ECで国際配送を提供している。欧州のマーケットプレイスに出店している。日本酒、日本茶、包丁、化粧品、文房具、アパレル、菓子、工芸品などを輸出している。

商品写真、使用シーン(ライフスタイル)カット、背景、パッケージのモックアップにAIを使っているなら、それらの画像はドイツやフランスの顧客が商品ページを開くたびにEU域内で利用されています。写実的な商品画像は、そもそも第50条の射程に入りやすいカテゴリーです。

3. 欧州クライアントを持つ制作会社・広告代理店・スタジオ・SaaS

日本でいちばん露出が大きく、いちばん警告が届いていないのがこの層です。あなたが制作したクリエイティブ、サイト、カタログ、キャンペーンは、欧州の販路に流れていきます。

ここは早めに整理しておく価値があります。遅かれ早かれ、欧州のクライアントの調達・コンプライアンス部門から「御社ではAI生成コンテンツの開示をどう扱っていますか」という質問が来るからです。そのとき答えが用意されているのは、リスク回避というより営業上の優位です。

ほぼ関係がないと考えてよい場合

事業が完全に国内向けで、多言語サイトもなく、越境販売もなく、欧州のクライアントも訪日欧州客も実質的にいないのであれば、実務上のリスクは低いといえます。

それでも読む価値はあります。AI画像に表示を付けること自体が、日本のお客様に対しても筋の通った透明性の実践だからです。ただ、慌てる必要はありません。

2026年8月2日に何が変わったのか

EU AI法は数年かけて段階的に施行されます。2026年8月2日は、第50条の透明性義務が適用開始となった日です。

第50条がカバーするのは4つの場面です。人がチャットボットと会話する場面。AI生成コンテンツにその旨のマーキングが必要な場面。感情認識と生体分類。そしてディープフェイク、および公共の関心事に関するAI生成テキストです。多くのウェブサイト運営者にとって実際に関係するのは、画像とチャットボットの部分だけです。

見落とされがちな点が2つあります。

欧州企業だけの話ではない。上で説明したとおりですが、混同の第1位なので繰り返します。基準は出力の到達先であって、所在地ではありません。

あなたの側の義務に猶予期間はない。限定的な延長は存在します。2026年5月のAIオムニバス合意により、2026年8月2日より前にすでに市場に出ていた生成AIシステムについては、2026年12月2日まで機械可読マーキング要件への対応が猶予されます。ただしこの延長はAIシステムの提供者向けであって、コンテンツを公開する事業者向けではありません。画像を公開する側の「見てわかる開示」義務は、すでに適用されています。

提供者と展開者——ほぼすべての解説記事が間違える区別

ここがこのテーマの核心であり、日本語で書かれた解説の多くが混乱しているところです。

提供者(プロバイダー)=AIツールを作った側

提供者(プロバイダー、provider)とは、AIシステムを開発し、市場に投入する主体です。OpenAI、Adobe(Firefly)、Midjourney、Google、Stability AI などがこれに当たります。

第50条(2)により、提供者は、生成された出力が機械可読な形式でマーキングされ、人工的に生成されたものとして検出可能であることを確保しなければなりません。実際には、生成の時点で埋め込まれる不可視の電子透かしと、署名付きの来歴メタデータのことです。規則は、これらの手段が技術的に可能な限り、実効的・相互運用可能・堅牢かつ信頼性の高いものであることを求めています。

展開者/利用事業者=画像を公開する側

展開者(deployer、日本語では「利用事業者」と読み替えると分かりやすい)とは、業務としてAIシステムを使う主体です。つまり、画像を生成して自社サイト・メニュー・ECに公開するあなたです。

第50条(4)により、AIを用いてディープフェイクに当たる画像・音声・動画を生成または加工した展開者は、そのコンテンツが人工的に生成または加工されたものであることを開示しなければなりません。

用語について一言。「展開者」はEUの用語の直訳で、日本語としてはかなり不自然です。読み替えるなら「業務でそのAIツールを使い、成果物を公開している事業者」。エンドユーザーという意味の「利用者」とは違います。個人が趣味でAI画像を作っている場合は、展開者ではありません。

なぜこの区別が実務上決定的なのか

あなたは提供者の義務を果たすことができませんし、果たす必要もありません。他社のモデルが出力したファイルに、あとから暗号学的な電子透かしを注入することは不可能です。もし解説記事やベンダーが「御社はAI画像に機械可読な電子透かしを入れなければなりません」と言っているなら、それは2つの役割を取り違えています。

あなたの仕事は、人間に向けたラベルです。それだけであり、そしてその部分は完全にあなたのコントロール下にあります。

日本でよくある論点:制作会社が作り、クライアントが公開する場合

これは日本の受発注構造でほぼ必ず出てくる質問です。

見てわかる開示の義務は、業務の文脈でそのコンテンツを公開する側にかかります。ただし商流の中では、これは契約と業務プロセスで解決すべき問題です。健全な実務は次のとおりです。

  • 制作会社は、納品時の一覧にどの画像がAI生成かを明記して渡す

  • 発注者(公開する側)は、公開時にラベルを適用する

  • これを納品仕様書またはチェックリストに明文化する

暗黙の了解にしておくと、必ずどこかで抜け落ちます。逆に、これを標準の納品フォーマットに組み込んでいる制作会社は、欧州案件で強いです。

その画像は「ディープフェイク」か——実際の判定基準

「ディープフェイク」と聞くと、偽の有名人動画や選挙妨害を思い浮かべます。EU AI法における定義はそれよりはるかに広く、ここで多くの人がつまずきます。

定義が対象とするのは、AIによって生成または加工された画像・音声・動画コンテンツで、実在する、または現実にありそうな人物・物・場所・団体・出来事に類似しており、かつ人にとって本物または真実であるかのように誤って見えるものです。

ここから2つの帰結が出ます。どちらも意外に思われます。

欺く意図は必要ありません。誰かを騙そうとしている必要はまったくありません。画像が本物らしく見え、ありそうなものを描いているなら、それだけで該当し得ます。

「物・場所・出来事」も含まれ、人物だけではありません。だからこそ、このルールはごく普通の商用画像に届きます。AI生成のホテル客室、テーブルの上の商品、オフィス風景、料理の一皿は、人物がまったく写っていなくても定義を満たし得ます。

定義の外に出るもの

  • 明らかに空想的・物理的に不可能な内容— 龍、道具なしで空を飛ぶ人、明白にシュールな情景。誰も本物とは受け取らないので、ディープフェイクではありません。

  • 明白なイラスト・様式化されたグラフィック— 手描き調のイラスト、図表、抽象画、見るからに人工的な3Dレンダリング。

  • 明らかに芸術的・創作的・風刺的・フィクション的な文脈のコンテンツは、より緩やかに扱われます。ただし、適切な方法での透明性は依然として期待されます。

一文で使える判定テスト

「ふつうの訪問者がこの画像をぱっと見て、カメラで撮影されたものだと思うか?」

  • 思う→ 対象として扱い、ラベルを付ける。

  • 思わない(明らかに描かれている・レンダリングされている・現実にはあり得ない)→ まず対象外。

このテストを覚えておいてください。規則を読み返さなくても、ケースの9割はこれで片が付きます。

そもそも一切対象にならない場合

AIで生成・加工した視覚コンテンツを公開していないなら、第50条の画像ルールの外にいます。実写の写真、人間が撮影したストックフォト、自社で描いたイラストは、何も発動させません。

通常の編集も、実写を「ディープフェイク」に変えるものではありません。規則は、元コンテンツの現実性を実質的に変更しない標準的な編集を想定しています。実在する自店舗の実写を、トリミング・色調整・レタッチすることは対象ではありません。生成塗りつぶし(generative fill)でそこに存在しなかった建物を足すのは、別の話です。

法律が実際に求めていること

あなたの義務:見てわかる、理解できる開示

ディープフェイク定義に当たる画像について、開示は検出ツールを使わずに人が知覚できるものでなければなりません。実務上は、可視のラベルということです。キャプション、バッジ、オーバーレイ、明確に紐づいた注記——それを、人がその画像に出会う地点で提示します。

目指すべき実務上の3つの性質。

  1. 画像のあるところに表示する。プライバシーポリシーの奥に一行書いてあっても要件は満たしません。開示は画像と一緒に移動します。

  2. 平易な言葉で。「AI生成」「AIで作成した画像」は理解されます。意味の分からないアイコンは理解されません。

  3. 最初の接触時点で見えている。ホバー、クリック、3スクロール先の背後ではありません。

多言語サイトの落とし穴(インバウンド事業者は必読)

これは訪日客向けの事業者にとって、他のどの論点よりも実害の出やすいポイントです。

日本語版にだけラベルがあっても、ドイツ語版を読んでいるお客様には何の意味もありません。

第50条が求めているのは、そのコンテンツに接した人が理解できる開示です。サイトやデジタルメニューを英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語に展開しているなら、AI表示も各言語版に存在しなければ機能しません。そして、実際にこのルールの適用対象になり得る読者は、まさにその外国語版を読んでいる人です。

多言語運用をしている日本企業では、ここが最も抜けやすい箇所です。翻訳フローに「AI表示も翻訳対象に含める」ことを最初から組み込んでおいてください。

提供者の義務:機械可読マーキング

全体像を閉じるために触れておきます。この部分は上流で処理されます。提供者は機械可読なシグナルを埋め込みます。最も一般的なのがC2PA規格です。ファイルがどう作成され編集されたかを暗号学的に署名して記録し、メタデータに埋め込むオープン規格で、Adobe、Microsoft、Google、BBC、AP通信などを含む広範な業界連合が支持しています。

限界も知っておく価値があります。C2PAメタデータは脆いです。スクリーンショットを撮る、SNSに再アップロードする、フォーマットを変換する——たいていの場合、来歴データは剥がれます。人が読めるラベルが別個の要件として存在するのは、まさにこのためです。欧州委員会のAI生成コンテンツの透明性に関する行動規範が、メタデータ+電子透かし+可視ラベルという層状のアプローチを示しているのも、単一の仕組みに依存させないためです。

もうひとつ知っておくべき義務:AI生成テキスト

テキストをAIで生成または加工し、公共の関心事について公衆に情報提供する目的で公開する場合、それも開示が必要です。ただし、人間が編集責任を負って内容を確認した場合は例外で、その場合は誰が責任者かを特定できる状態にしておくべきです。

自社商品についての通常のマーケティング文章は対象ではありません。AIが書いた時事・ニュース記事は対象です。公共性のあるテーマで自動化されたブログを運用しているなら、この点はきちんと確認してください。

無視した場合に何が起こるか

第50条の透明性義務の違反は、最大1,500万ユーロ または 全世界年間売上高の3%(いずれか高い方)という制裁金の区分に置かれています(第99条参照)。規則は中小企業(SME)および中堅企業について比例性を考慮すべきことを明記しているので、小規模事業者が見出しの数字にそのまま直面するわけではありません。ただし「小規模」は「適用除外」ではありません。

執行は各加盟国の市場監視当局が担います。

ここで、煽り気味の記事が省略しがちな正直な情報をひとつ。執行体制はまだ構築の途中です。2026年3月の時点で、単一窓口を指定済みだったのは27加盟国のうち8か国にとどまり、多くが2025年8月の期限に間に合いませんでした。これを率直に書くほうが、差し迫った摘発があるかのように示唆するより誠実です。

したがって、多くの事業者にとって短期的に現実的なリスクは、規制当局の抜き打ち監査ではありません。申立てです。競合他社、顧客、あるいは活動家が、あなたのサイトに堂々と置かれている無表示のAI画像について通報する——これが現実的な入口です。

これが正直なリスク像です。積極的な執行の確率は低い。一方で、修正は安価で恒久的。だから判断は簡単だ、ということになります。

日本企業には、制裁金よりもっと手前にある第2の理由もあります。欧州取引先のデューデリジェンスです。EUのブランドは、サプライヤーに対してAI生成コンテンツの取り扱いを尋ね始めています。プロセスが用意できている状態でコンペに臨めるかどうかは、実際の差になります。

AI画像にラベルを付ける4ステップ

ステップ1 — 公開済みのAI画像をすべて棚卸しする

見つけていないものにラベルは付けられません。次を順に確認します。

  • サイトの各ページ — メインビジュアル、背景、スタッフ写真、店舗・施設写真、セクション画像

  • ブログ記事のアイキャッチと本文中の図版

  • 商品画像とメニュー画像

  • ランディングページ、キャンペーン用の特設サイト

  • CMSのメディアライブラリにある、直近2年ほどの公開物すべて

  • 多言語版ページ(日本語版にしかない画像/外国語版にしかない画像の両方)

それぞれについて記録します。どこで使っているか。AI生成かAI加工か。どのツールで作ったか。おおよそいつか。担当者が個別に画像を作ってきた組織では、想像より多く出てきます。

近道:ファイル名とEXIFの「Software」フィールドに生成ツール名(DALL·E、Firefly、Midjourney、Stable Diffusion)が残っていることがよくあります。C2PA対応ツール由来のファイルには来歴メタデータが残っている場合もあります。これで棚卸しの大半が一気に進みます。

ステップ2 — ラベルの仕様を決める

一度決めて、全体に適用します。

  • 文言。「AI生成画像」が最も明確です。「AIで生成」「AI生成」でも構いません。ひとつ選んで統一します。

  • 位置。画像のすぐ下のキャプション、または画像の隅の小さなバッジ。どちらでも機能します。キャプションのほうがデザインを壊しません。

  • 範囲。ディープフェイク判定に当たる画像にラベルを付けます。全部に付けることも許容されており、運用は単純になります。ただし、実写にAIラベルを付けてはいけません。それはそれで正確性の問題を生みます。

  • 言語。多言語サイトなら、全言語版にラベルを入れます。翻訳フローに組み込みます。

ステップ3 — まとめて適用する

ここでほとんどのプロジェクトが止まります。CMSで40枚を手作業でラベル付けするのは、つぶれた午後1回分。400枚となると、誰も着手しないプロジェクトになります。下のツールの節がこの問題を扱います。

ステップ4 — やったことを記録する

短い社内記録を残します。棚卸しをした日付、ラベル付けの基準、対象と判断した画像、承認者。10分で終わり、そして万一問い合わせが来たときに「弊社は真剣に取り組んでおり、これがそのプロセスです」と「考えていませんでした」の差になります。

WordPressでの実装:KI-Transparenz-EU

私たち自身、大量のAI画像を公開しています。だからステップ3の問題に正面からぶつかり、そのためのツールを作りました。無料です。

プラグインの状況 — 2026年8月7日更新。v1.0は完成しており、本日から無料でダウンロードできます。WordPress.org公式プラグインディレクトリにも申請済みです。審査には通常数週間かかります。承認された当日にこのページを更新します。

できること

KI-Transparenz-EUは、既存のWordPressメディアライブラリに一括AIラベル付けを追加します。対象は画像と動画の両方です。

  • 複数画像を一度に選択— ライブラリを絞り込み、AI生成のものを選ぶ

  • ワンクリックでラベル付け— 開示が適用され、その画像が表示されるあらゆる場所で公開表示される

  • すでに公開済みのものにも効く— 再アップロードや作り直しは不要

  • 無料、アカウント不要、ロックインなし— 無効化すればサイトは元のまま

決定的な違いはここです。既存のツールはたいてい1ファイルずつフラグを立てさせます。2年分積み上がったライブラリを抱えている場合、それこそが問題のすべてです。これは、4枚にラベルを付けるのと同じくらいの時間で400枚を処理するために作られています。

できること、そしてできないこと

コンプライアンス目的でこの記事を読んでいる方に向けて、限界を率直に書きます。

  • 人が読める可視の開示を適用します— 第50条(4)における展開者の義務にあたる部分です。

  • 画像のピクセルに暗号学的な電子透かしを入れることはしません。それはAI提供者の責任であり、公開側のプラグインにできることではありません。

  • どの画像が法的に対象なのかを代わりに判断することはしません。仕組みは提供しますが、分類の判断はあなたのものです(上の判定テストを参照)。

  • どのプラグインも、誰かを「適合状態」にすることはできません。コンプライアンスはプロセスであって、チェックボックスではありません。これはラベル付けの部分をうまく処理する道具です。

導入手順

  1. ZIPをダウンロード:https://github.com/IbramDawwaGmbH/KI-Transparenz-EU— 先に中身を読みたい場合、ソースはGitHubで公開しています

  2. WordPress管理画面でプラグイン → 新規追加 → プラグインのアップロード → 有効化

  3. メディアを開き、AI画像を選択してラベルを適用

公式ディレクトリから入れたい方へ。承認され次第、本記事に公式リンクを追記します —WordPress.org の開発者プロフィールもご覧ください。開発中のShopify版・Wix版も同じタイミングでご案内します。

WordPressを使っていない場合

要件は同じです。変わるのは手段だけです。

  • Shopify / WooCommerce / BASE / 楽天その他のEC— たいていのテーマでキャプション欄か画像オーバーレイを追加できます。AIで生成・大幅加工した商品画像は最も明確に対象となるケースのひとつなので、ここから始めてください。

  • Webflow、Squarespace、Wix、STUDIO— AI画像の下にキャプション要素を追加するか、画像コンポーネントに小さな常設バッジを入れて既定で適用されるようにします。

  • 独自開発サイト— コンポーネント層で解決します。画像のデータモデルにisAIGeneratedフラグを追加し、コンポーネント側でラベルを描画します。一度作れば、以降の画像はすべて継承します。

  • SNS— 主要プラットフォームには現在、独自のAIコンテンツ申告設定があります。使ってください。サイト側のラベルは、再アップロードされたファイルには付いていきません。

  • デジタルメニュー— メニューがサイトとは別のツールなら、そちらにもラベルが必要です。メニューを翻訳している全言語で必要です。

よくある5つの間違い

1. 機械可読な電子透かしを自分で入れなければならないと思い込む。できませんし、その必要もありません。それは提供者の義務です。あなたの義務は可視ラベルです。

2. すべてのAI画像にラベルが必要だと思い込む。明らかに空想的、あるいは明白にイラスト的な画像は、一般にディープフェイク定義の外です。恐怖から全部に貼るのではなく、判定テストを適用してください(もっとも、運用の単純さを優先して全部に貼るのは許容されます)。

3. 利用規約ページに開示を隠す。ラベルは、人が画像に出会うその場で、検出ツールなしに知覚できる必要があります。

4. 日本にあるから関係ないと結論づける。AIシステムの出力がEU域内で利用されるなら、対象になり得ます。所在地は基準ではありません。

5. 日本語版にだけラベルを付けて終わりにする。対象となる読者は外国語版を読んでいます。全言語に入れてください。

(おまけ)6. ラベルを付けて、そのまま忘れる。新しいAI画像は毎週公開されます。ラベル付けを一度きりの大掃除ではなく、公開ワークフローの一部にしてください。

よくある質問

日本の会社です。EU AI法は自社に適用されますか?適用され得ます。規則は、EU域外に設立された提供者・展開者に対しても、そのAIシステムが生み出した出力がEU域内で利用される場合に及びます。欧州の顧客が閲覧するサイト、EU向けに販売するEC、欧州ブランドにクリエイティブを納品する制作会社は、この議論の対象です。欧州の読者・顧客がまったくいない純国内事業であれば、実務上のリスクは低いといえます。

訪日欧州客向けのサイトも対象ですか?対象になり得ます。とくに重要なのは、予約の意思決定がお客様がまだヨーロッパにいるあいだに行われるという点です。その時点であなたのAI生成画像はEU域内で閲覧・利用されています。多言語サイトやデジタルメニューを持つ宿泊・飲食事業者は、確認しておく価値があります。

EU AI法は、私のサイトのAI生成画像へのラベル表示を義務づけていますか?その画像が規則の「ディープフェイク」定義に当たる場合——AIで生成または加工され、現実にありそうな人物・物・場所・出来事に類似し、本物に見え得るもの——であれば、はい。展開者として、人工的に生成されたものであることを開示する必要があります。開示は検出ツールなしに人が知覚できるものでなければなりません。明らかに空想的、あるいは明白にイラスト的な画像は、一般に対象外です。

いつから適用されているのですか?2026年8月2日です。それとは別に、2026年12月2日までの延長が、同日より前にすでに市場に出ていた生成AIシステムの機械可読マーキングについて存在します。ただしこれはAI提供者に関する話であって、画像を公開する事業者の話ではありません。

AI画像に電子透かしを入れる必要はありますか?ありません。機械可読マーキングは、そのコンテンツを生成したAIシステムの提供者の義務です。画像を公開する事業者としてのあなたの義務は、人が見てわかる可視の開示です。

提供者と展開者の違いは何ですか?提供者はAIツールを開発して市場に投入する側で、出力を機械可読な形式でマーキングする義務を負います。展開者は、そのツールを業務で使って結果を公開する側で、画像がディープフェイクに当たる場合に可視ラベルを付ける義務を負います。義務の内容も名宛人も別です。

AI生成の商品写真はディープフェイクですか?そうなり得ます。定義は現実にありそうな物や場所を含み、人物に限られません。また欺く意図も要求されません。訪問者が撮影されたものだと受け取るような写実的な商品写真・施設写真は、一般に対象に入ります。

制裁金はいくらですか?第50条の透明性義務の違反には、最大1,500万ユーロ または 全世界年間売上高の3%(いずれか高い方)の制裁金があり得ます。中小企業については比例性が考慮されます。執行は各加盟国の市場監視当局が行います。

AIが書いたテキストにも表示が必要ですか?公共の関心事について公衆に情報提供する目的で公開され、かつ人間が編集責任を負っていない場合に限られます。通常のマーケティング文章は対象ではありません。

制作会社が画像を作っています。ラベルは誰の責任ですか?可視の開示義務は、業務の文脈でそのコンテンツを公開する側にかかります。実務上はプロセスで解決してください。制作会社はAI生成である旨を明記して納品し、公開する側がラベルを適用する。これを契約と納品チェックリストに書いておきます。

プラグインを入れれば適合になりますか?どのツールでもなりません。プラグインは可視ラベルを確実かつ大量に適用します。それは機械的な部分です。どの画像が対象かを判断し、公開を続けながら運用を維持することが残りの部分です。

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多言語のデジタルメニューで、AI表示が各言語版にそのまま反映される仕組み:Intermenuを見る →


出典:EU AI法 第50条·欧州委員会 第50条の透明性義務に関するFAQ ·欧州委員会 AI生成コンテンツの透明性に関するガイドライン· AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範·第99条(制裁)· C2PA。規則の日本語公式版は存在しません。全文はEUの全公用語でEUR-Lexから参照できます。最終確認:2026年8月7日。

著者:

Ibrahim Anjro

Founder & Business Developer

+10 years of exp in Business Development